AMATファクトリー

私が若い頃、一人で機械をセットし加工した家具が初めて綺麗に完成した日のことを、今でも鮮明に覚えています。

基礎的な簡易な家具でしたが、当時の私は何度も何度も失敗と調整を繰り返していました。
苦悩しながらも、ついに直線、直角、垂直、の精度良し、木口加工に隙間無く傷や汚れも無く、組付の木ダボが図面通りの正確な位置に加工出来き完成した時、私の父である先代の社長から「綺麗に仕上がったな」と声を掛けられ、その時の感動が“ものづくり”の原点だと思っています。
そして、その原点が職人としての私のこだわりを貫き通してくれているように思います。

また、良い“ものづくり”のためには、基本的なことではありますが道具への真心も必要不可欠です。
道具は嘘をつきません。きちんと整備し、無理をさせなければ壊れないし狂うことはありません。軽くサクッと切れる鋸の音、ボーリング加工に出る軽快なエアーバルブ音、面取仕上げのトリミング音などを聞いて、加工リズムを刻みながら道具たちと「作る」工程を楽しんでいます。
そんな道具たちの音を聞きながら、汚れ・消耗・摩耗・油・伸び・緩み・漏れ・剥がれを気にかけ、真心をこめて道具(機械)たちのメンテナンスに時間を費やします。

そして「綺麗なところから綺麗なものが作れる」をモットーに、整理・整頓・清掃を心がけ、綺麗に早く正確に作ること、品質の安定した素材を使い製品の安全性と安心を守ることを使命とし、ものづくりの力でお客様満足度を高めていくことを、これまでもこれからも実行し続けていきます。

株式会社伸晃
専務取締役　石垣　文裕